弊社はもともとエマルジョン系のロバスターE100Mというコスパに優れた切削油を
使用しておりましたが、どういうわけかNVX5080のほうに使っていたところ
腐敗の進みが早く、機械内部にところどころ錆が発生してしまい、
全ての切削油を入れ替えることにしたのですが、どうせ変えるならDMGMORIが推している
Blaserの切削油を使ってみようかということで耐腐敗性に優れているB-COOL755を
使ってみることにしました。
今回はそのB-COOL755の実際の使用感を書いてみたいと思います。
Blaser B-COOL755を使ってみて
Blaserの切削油はどれも鉄以外の非鉄金属、合金鋼にも優れた効果を発揮するようですが
弊社はほぼ100%鉄での使用です。
鉱物油とエステル油のハイブリットで、潤滑性が高いソリュブルタイプの水溶性金属加工油。
航空機産業で使用される硬質・軟質アルミ合金、チタン合金、ニッケル合金など全ての合金鋼に適しています。
DMGMORI Blaser 水溶性金属加工油 B-cool755より引用
水溶性切削油は主に乳白色のエマルジョンと透明のソリュブルに分かれていますが
B-COOL755はその中間で半透明、半乳白色の仕様になっています。
ニオイがキツイ
正直言って新品状態の時は匂いが鼻の奥に刺さってくる感じでキツイです。
独特なにおいであまり嗅ぎすぎると体調を悪くしてしまう人がいてもおかしくないと思います。
なんだか鼻の奥から眉間にかけて「かぁ~~~~!」ってなる感じです…
といっても伝わらないと思いますが、
とりあえず体調の悪い時はニオイを嗅がないようにしたほうが良いでしょう。
ただし、このきついニオイは補充したての新品のときのみで、
しばらく使っているといつのまにかそのニオイも気にならなくなります。
切削精度に変化は?
Blaserの切削油を使うと面精度が向上する!切削油もツールの一部なんだよ的なのがBlaserのHPで見られますが
実際のところどうなのでしょう?
もともと精度の良いNVX5080なので、その違いには全く!さっぱりわかりません…
とりあえず良いんだと思います。
切削性そのものは全く問題なく良いですね。
B-COOL755の耐腐敗性は実際どうなの?
入れ始めから半年は良好でした。
しかし、前の切削油の影響なのか?徐々にバクテリアが発生し
独特の腐敗臭も出るように…
いくら耐腐敗性に優れていたとしてもやはり前の切削油の影響を残してしまうと
切削油の腐敗の進行具合は次第に早くなっていくようです。
一度腐敗が始まると結構な頻度でバクテリアが発生していきます。ニオイもキツイです!
ですが、腐敗が始まる期間的に見て
おそらくいつも使っているロバスターE100Mよりかは耐腐敗性は1.5倍くらい?あるように思います。
値段が高い!!
最初に注文したときの値段にびっくりでした。
いつも使っているロバスターE100Mは18L缶で10000円位なのに対し、
B-COOL755は同じ18Lで30000円超え…コスパは悪いです。
今後これといったメリットを見いだせないようであれば、またロバスターのほうに
戻すと思います。
まとめ
いまのところ耐久性が多少ある以外にこれといったメリットを見出すことができていません。
良い切削油であることに変わりはないのですが、
弊社にとっては少々オーバースペックなのかもしれませんね。
ちなみにこのB-COOL755の希釈率は1/20のようです。しかし、馬鹿正直に1/20の希釈にすると
結構な量の泡が発生するので注意です。20倍ではちょっと濃いかな~と思いました。
ということで来年はまた切削油を変更するかも?しれません。
追記
後々劣化してきたB-COOL755ですが、やはり希釈濃度はめちゃめちゃ大事です。
というのも劣化が進むとバクテリア云々というより、もう機械の中に錆がでるように
なってきて全入れ替えしようか悩んでいたのですが、
ダメ元で濃度をかなり濃くして(多分1/8くらいのどろっどろな極悪な希釈濃度)
バケツ5杯くらい継ぎ足したところ
その錆がすっかりなくなり、不快な匂いも幾分マシになりました。
濃度が濃いため、多少の泡っぽさはありますが、
それ以降ずっと良い状態を維持できているようです。
かれこれ2年位使ってきましたが
この切削油は濃くしても異常な泡立ちが無いので
濃度が濃いに越したことはないのかなといった印象です。