ChatGPTにFANUCのGコードやMコードのことを聞いてみると、答えてくれるのは以前の記事にも載せました。
では、今回は加工形状さえ伝えられればNCプログラムをすべて書いてくれるのかどうかを試してみようと思います。
ChatGPTにFANUCのNCプログラムを書かせてみた
結果から言いますと、うまくいったと思います。
複雑な図形を絵で示すわけにもいかないので、分かり易い図形ということで、30φの丸形状の外周を加工するということで、指令を出してみました。
それがこちらです。
凄くシンプルなプロンプトですね。これで、どう帰ってきたかというと、次の通りです。
了解しました。30φの円の外周を加工するためのFANUCのNCプログラムを作成します。
以下は、基本的なGコードを使用して30φの円の外周を加工するためのプログラムの例です。このプログラムは、ワークの中心を原点として、30mmの直径の円を加工します。
O1000 ; プログラム番号
G90 ; 絶対座標指令
G17 ; XY平面選択
G21 ; ミリメートル単位
G40 ; カッタ補正キャンセル
G80 ; 循環キャンセル
M03 ; 主軸正転
S1000 ; 主軸回転数1000rpm
G00 X0 Y15 ; 開始位置へ移動
G41 D1 ; カッタ補正左側
G01 F100 ; 送り100mm/min
G02 X0 Y-15 I-15 J0 ; 30φの円を描く
G40 ; カッタ補正キャンセル
G00 X0 Y0 ; 原点へ移動
M05 ; 主軸停止
M30 ; プログラム終了
どうでしょうか?図形がシンプルなだけにChatGPTもすんなり答えてくれました。
このあとの文章も載せておきます。
このプログラムは、基本的なものであり、実際の加工条件やツール、機械の仕様に応じて調整が必要です。また、ツールの直径やカッタ補正の値、送り速度、主軸の回転数などは適切に設定してください。
注意: このプログラムは参考として提供されています。実際の加工前には、機械やツールの仕様、安全性などを確認し、必要に応じて調整してください。安全な操作を常に確保してください。
ということです。
ではこれはどうでしょう?シーメンス840Dでも同じ形状の加工で出せるかどうかを聞いてみました。
シーメンス840DでもChatGPTはNCプログラムが出せるのか?
結果からいいますと、普通に出しました。
もう当たり前かのように即快諾でした。
N10 G90 ; 絶対座標指令
N20 G17 ; XY平面選択
N30 G21 ; ミリメートル単位
N40 G40 ; カッタ補正キャンセル
N50 M03 ; 主軸正転
N60 S1000 ; 主軸回転数1000rpm
N70 G00 X0 Y15 ; 開始位置へ移動
N80 G41 D1 ; カッタ補正左側
N90 G01 F100 ; 送り100mm/min
N100 G02 X0 Y-15 I-15 J0 ; 30φの円を描く
N110 G40 ; カッタ補正キャンセル
N120 G00 X0 Y0 ; 原点へ移動
N130 M05 ; 主軸停止
N140 M30 ; プログラム終了
このプログラムも、基本的なものであり、実際の加工条件やツール、機械の仕様に応じて調整が必要です。ツールの直径やカッタ補正の値、送り速度、主軸の回転数などは適切に設定してください。
注意: このプログラムは参考として提供されています。実際の加工前には、機械やツールの仕様、安全性などを確認し、必要に応じて調整してください。安全な操作を常に確保してください。
とのことです。
では、最後にハイデンハインTNCでも出せるのか?聞いてみました。
ハイデンハインTNCでもChatGPTはNCプログラムを出せるのか?
結果から言いますと、これも出せます。
BEGIN PGM 1000 MM
CYCL DEF 24700 ; 絶対座標指令
G17 ; XY平面選択
G21 ; ミリメートル単位
G40 ; カッタ補正キャンセル
M03 S1000 ; 主軸正転、回転数1000rpm
L X0 Y15 FMAX ; 開始位置への高速移動
G41 D1 ; カッタ補正左側
L Z-5 F100 ; Z方向への移動
CC X0 Y0 ; 円の中心を指定
CP DR+ R15 ; 30φの円を描く
G40 ; カッタ補正キャンセル
L X0 Y0 FMAX ; 原点への高速移動
M05 ; 主軸停止
END PGM 1000 MM
このプログラムも、基本的なものであり、実際の加工条件やツール、機械の仕様に応じて調整が必要です。ツールの直径やカッタ補正の値、送り速度、主軸の回転数などは適切に設定してください。
注意: このプログラムは参考として提供されています。実際の加工前には、機械やツールの仕様、安全性などを確認し、必要に応じて調整してください。安全な操作を常に確保してください。
まとめ
今回のプロンプトは使用工具やクーラント等の設定がされていないので、NCプログラムをそのまま使えるというわけではありません。
そのあたりもしっかりプロンプトに組み込めば、バッチリいけそうな感じですね。
形状をうまく伝えることができれば、ChatGPTでもNCプログラムは作成可能であることがわかりました。
ただし、3次元形状の場合はうまく形状が伝わったとしてもプログラムが長すぎてしまうから難しそうですね。
ChatGPTでNCプログラムが出せるのは2次元形状までなのかなといったところです。
それにしても頼んでもいないのに各コードの右側に解説を交えて書いてくれるなんて親切ですね。
ということで、今回はChatGPTでも形状さえ伝えられればNCプログラムは書いてくれるのか?についてでした。