ゲームを長時間やると成績は下がるけど、短時間なら成績が上がる
「ゲームをやりすぎると学業が疎かになり、成績が下がる」と聞けば、当然のように思えます。
なぜなら、『長時間ゲームをすることで勉強する時間が無くなってしまうから』。
実際に2008年の全国学力調査によると、小学生、中学生共にゲームの時間が増えると、学力テストの成績が下がっているようです。
しかし、短時間ではどうでしょうか?例えば一日1時間ほど。
これについて慶応義塾大学の田中辰雄教授による15000人を対象にした調査があり、平日にゲームをする時間の平均が1時間、もしくは1時間未満の人は進学成績が良かったという結果が出ています。
こういった研究結果は海外でも複数あるようです。
テレビのインタビューでも有名大学出身で高学歴の方に過去、ゲームをやってたかと聞くと、「やっていた」と答えてて、それどころか内容を聞いてみると、結構なやり込みをしていたとわかる人までちらほら目にすることがあります。
ゲームが勉強に悪い結果を与えない理由
では、そんな高学歴の方たちでもゲームはやっていたのに、なぜ学業が疎かにならず、進学実績が良かったのでしょう?
理由としましては、長時間の勉強は効率が悪くなることから、勉強の合間に気分転換を兼ねてゲームをしていたのではないか?と考えることが出来ます。
「頭が良い(賢い)=頭の切り替えが早い」といわれているのも、それと一致しているといえそうです。
『ながら勉強は良くない』というのもよく聞きますよね。
また、「勉強をやってから(やることやってから)、ご褒美としてゲームをする」というのもあるでしょう。こういった習慣は、知らない間にゲームが勉強への報酬として機能していると考えられます。
ゲームは内容によって頭を使う(ゲームをするメリット)
ゲームといっても格闘、アクション、ロールプレイングからパズルと様々なジャンルがあります。そのどれもが案外頭を使うものが多くて、どう攻略しよう?とか、効率的に戦略的に進めるにはどうしたら良いか?といったことを考えます。
パズルゲームでは目、指、脳に良い刺激を与えるということから、高齢者の衰えを防ぐ効果があるとする研究結果も多数あるそうです。
このように「ゲーム=頭を使う」ことは間違いないことで、単純に「ゲーム=良くない」と否定できないところですね。
読書は学力向上に効果がある
ゲームから少し離れますが、「読書は学力向上に効果がある」という調査結果があります。
これは文科省の委託で静岡大学が読書習慣と学力との関係を探るための研究で、「平成21年度全国学力・学習状況調査」に回答した小学生1,144,548人、中学生1,072,481人の調査結果から分かったものです。
しかし、「長時間読書をしていれば学力が向上する」という単純なものではありません。読書習慣がある生徒は勉強が出来ると考えられるのですが、読書時間が長くなればなるほど成績が良くなるという結果は出ていないようなのです。
これはつまり、上述したゲームと同じで、「読書をしている時間が長い=勉強する時間が無い」のと同じことがいえそうです。
まとめ
- ゲームを一日何時間もする=勉強する時間が無くなる
- 読書を一日何時間もする=勉強する時間が無くなる
結局時間は有限ってことで、何事も計画的にってことですね。
ゲームは『やることをやってから、もしくは勉強の合間に時間を決めてやる』
学業を疎かにしないためには、やはりこれが王道です。
ちなみにこういったことは、40年近く前のファミコン時代からよく言われていました。
ただ、大事なのは「成績が下がるからゲームをやってはいけない」といって、親が上から押さえつけるのではなく、まず子供自身にルール作りをさせ、自己管理能力を養わせることなのかなと思います。自分の決めたルールを守り、誘惑をしっかりと自己管理できることは、後々の人生にも大いに役立つことでしょう。
2021年8月に中国ではオンラインゲームにおいて、未成年は金土日祝の午後8~9時しか遊べない、という規制が発表され、同年9月に任天堂の「あつまれ どうぶつの森」が発売禁止になったことは有名ですね。非常に強烈な規制で中国だからできることなんでしょうけど、中国という国もゲームに国民が呑まれることを憂えてるんですね。