「なんかこの部屋…ヤバくない?」
誰でも一度は、そう感じたことがあるんじゃないでしょうか。 廃墟、古民家、トンネルの中、旧病院跡…。
“見えない何か”がそこにいるような気配──。 でも、ちょっと待ってください。
その“ゾクッ”とする感覚、 もしかすると「カビ」が原因かもしれないって、知ってました?
アメリカの大学教授が行った驚きの研究で、 幽霊の正体が“空気中のカビ”かもしれないという仮説が浮上しているんです!
今回は、そんな興味深い「カビ×心霊現象」の関係に迫ります。
カビと心霊現象の関係を科学で検証!研究者が語る衝撃の事実
まず最初にハッキリ言っておきます。
カビに霊を呼ぶ力はありません。ゼロです。
でも、カビが放つ”毒”によって、 私たちの脳や精神に異常を引き起こす可能性があるんです。
それが結果的に“心霊体験”っぽく感じられてしまう。 そんな現象を、科学的に調査したのが…
シェーン・ロジャース准教授(Shane Rogers)

画像引用:https://www.clarkson.edu/people/shane-rogers
- 所属:クラークソン大学(Clarkson University/米ニューヨーク州ポッツダム)
- 役職:准教授(Associate Professor)
- 学位:Ph.D.(環境工学)
- 専門:環境バイオテクノロジー、空気中微粒子・生物汚染物質、公共衛生リスク
- 主な研究テーマ:空気質と健康、バイオエアロゾル、病原体やカビの検出と影響分析
ロジャース准教授は、幽霊や心霊現象の背後にある“科学的な要因”に注目し、従来のオカルト的な見解とは異なる角度からの研究を行っています。
彼がこの研究に乗り出したきっかけは、実はとても個人的な体験でした。自身の子どもたちが、家の中のカビにさらされた際、理不尽な怒りや不安、恐怖を感じるような変化を見せたことに強い衝撃を受けたそうです。
「もしかしてカビが脳に何かしてるのでは?」──その疑問から始まり、ロジャース准教授は、心霊スポットとされる場所の空気を調査し、そこに共通する「カビ」の存在と人体への影響を解明しようと決意します。
特に、有害カビが放出するマイコトキシン(毒素)が神経系にどんな作用を及ぼすのか、そしてそれが“不安感”“幻覚”“恐怖”といった人間の感覚にどう関わるのかに焦点を当てています。
このような科学とオカルトの中間にあるテーマを、データと実地調査に基づいて研究する姿勢は、メディアや学会からも高く評価されています。
“幽霊が出るとされる場所には、そうでない場所よりも、異常に多くのカビ胞子が漂っている“
このシンプルながらインパクトのある仮説は、思いつきではなく、実際の現場調査と空気サンプルの徹底的な分析に基づいて立てられたものです。ロジャース准教授と研究チームは、心霊スポットとされる建物に足を運び、科学的な方法で“空気の中に何があるのか”を明らかにしようとしました。
幽霊スポットの空気を科学分析!調査手法と驚きの結果とは
教授とその研究チームは、 全米の有名な“心霊スポット”を訪れて空気を採取。 それと同時に、普通の建物やキャンパスの空気と比較したんです。
結果は驚きでした。
- 心霊現象が頻発するとされる建物には、5~6倍のカビ胞子が検出。
- 特に注目されたのが、スタキボトリス Stachybotrys chartarum(通称:ブラックモールド)
これ、マジでヤバいカビで、 マイコトキシンという有毒物質を出します。
これが人の脳や神経に悪さをして
- 記憶力の低下
- 不安感や恐怖感
- 幻覚や幻聴
といった症状を引き起こす可能性があるんです。
幻覚の原因はカビ?脳が幽霊を作り出すメカニズム
「誰かがそばにいる気がする…」 「見えない何かに見られている…」 「聞こえるはずのない音がする…」
こういった“心霊体験”とされる感覚、実は脳がカビの毒素によって混乱しているだけかもしれないんです。
特に問題となるのは、スタキボトリス(ブラックモールドともいう)(Stachybotrys chartarum)などのカビが放出するマイコトキシン。これらは吸い込むと、
- 脳の神経伝達物質に影響
- 視覚・聴覚の処理を狂わせる
- 情緒を安定させるホルモン分泌に干渉
といった作用を及ぼすことが動物実験などから示唆されています。
その結果、人間はこんな状態に!
- ありもしない物音や声を「聞いた」と感じる(幻聴)
- 人影が見えたような気がする(視覚的錯覚)
- 誰かの“気配”を錯覚する(空間認識の混乱)
こうした現象は、実際に脳内で起こっていることなので「本人にとっては本物」なんです。
また、不安感やパニック感情を増幅することで、ちょっとした影や音に過剰に反応し、
「これは幽霊の仕業だ!」 と思い込んでしまう“誤認バイアス”も加わります。
つまり──
カビ毒が、あなたの脳を幽霊を「作り出すモード」に変えてしまう可能性がある。
そしてその恐怖体験は、あなたの中に“リアルな記憶”として深く刻まれてしまうんです。
このメカニズムを知っておくだけでも、「霊体験」の正体を冷静に見極める手助けになるかもしれません。
カビと幽霊を結びつけた研究者が語る真実【動画あり】
実際に教授が研究内容を語っている動画もあります。
🎥 Ghost Busting with Clarkson University Researchers(YouTube)
この動画では、学生と一緒に空気サンプルを取ったり、 建物内の環境測定を行っている様子が映し出されています。
心霊現象が多発する場所の共通点=カビの繁殖環境とは
心霊現象が頻繁に語られる場所──たとえば廃墟、旧病院、トンネル、古民家。
これらの場所には、ある共通点があります。 それは、カビが繁殖しやすい「高湿度・低換気・無管理」の空間であるということです。
典型的な特徴
- 長期間人が出入りしていない(=放置された建物)
- 湿気が多く日光が差さない(地下、トンネル、北向きの部屋など)
- 換気が悪く空気がこもっている(窓が閉ざされている、風通しゼロ)
- 壁や床に水漏れ、結露、カビ汚れがある
これらの環境では、特にスタキボトリス、ブラックモールド(Stachybotrys chartarum)のような有害カビが繁殖しやすく、空気中に大量の胞子やマイコトキシン(毒素)をまき散らします。
そしてこの空気を吸い込むことで、人間は次のような状態に:
- 頭が重くなる、めまいがする
- 動悸や不安感が出る
- 体がだるくなり集中力がなくなる
- 幻覚に近い感覚が出る(誰かがいるような気配、音が聞こえるなど)
つまり、「なんかこの場所ヤバい…」と感じるのは、霊のせいではなく“空気が悪い”せいかもしれません。
心霊スポットにありがちな「うっすらカビ臭い」「ジメッとして重たい空気」というのも、まさに脳と身体にストレスを与えるサインです。
カビの種類ごとの人体影響一覧
最後に、心霊現象と誤認されやすい体調異常を引き起こす代表的なカビの種類と、その影響一覧をまとめました。
※ 本表は、CDC(米疾病予防管理センター)、EPA(米環境保護庁)、NIH(米国立衛生研究所)の公開情報や、関連する科学文献・専門家の解説を参考に構成しています。
カビの種類 | 学名 | 放出する毒素(例) | 主な症状・影響例 |
---|---|---|---|
ブラックモールド | Stachybotrys chartarum | サトラトキシンなど | 頭痛、幻覚、記憶障害、恐怖感、気分の浮き沈み |
アスペルギルス(黒カビ) | Aspergillus fumigatus 他 | アフラトキシン、グリオトキシン | 呼吸器障害、咳、喘息、免疫抑制 |
ペニシリウム属 | Penicillium chrysogenum 他 | シトリニンなど | アレルギー反応、くしゃみ、倦怠感 |
クラドスポリウム(褐色カビ) | Cladosporium herbarum 他 | 非特定 | 鼻炎、皮膚炎、空気の重さによる精神的不安定感 |
アルテルナリア(黒っぽいカビ) | Alternaria alternata | 非特定 | アレルギー、気管支炎、湿疹、集中力の低下 |
※ 特に密閉された古い建物や湿度の高い環境では、これらのカビが複合的に存在することで、より強い症状が現れる可能性があります。

このグラフは、5種類の代表的なカビについて、毒性レベル(Toxicity Level)と症状の深刻度(Symptom Seventy)を視覚的に比較したものです。ブラックモールド(Stachybotrys)は両方の項目で最も高く、人間の健康に強い影響を与えるだけでなく、“心霊現象的なもの”を引き起こす可能性があることを示しています。
まとめ:霊より怖いのはカビだった!?
「この部屋、なんか変だな」 「霊感がある人がやばいって言ってた」 「ここ事故物件かも?」
そんなときは幽霊よりも先に、カビが脳に悪さしてるかもしれません。
ロジャース准教授の研究は、 オカルトを否定するんじゃなくて、 “科学で説明できること”に光を当ててくれています。
もし心霊スポットらしきところに行くことがあれば、マスクくらいは持っておいたほうが良いかも?