以前FANUC NCプログラムについて基本的な部分を書きました。
FANUCの場合簡単ではありますが、NCプログラムで使うFANUCのGコード、Mコードの一部をやさしく解説します。FAN…
が、今回はその続編で、円形状の外周側面仕上げのプログラムについてと
注意すべき点について書いてみたいと思います。
フラットエンドミルでの円形状の側面仕上げ
今回用意したのはこちらの形状。

めちゃくちゃシンプルな円形状のコアで、外径の直径が55mm(半径27.5)で
高さはZ0から15mmにしています。
この外周を仕上げるという設定で行きます。
側面仕上げに必要なのがD番号
側面仕上げに必要なものにD番号があります。
これは機械側で誤差を細かく補正出来るもので、
マシニングなど機械側の使用するT番号の工具径補正を、あと-0.01追い込みたいとか
そういうときに便利な機能です。
(例)55mmにはできたけど、理想は54.99mmにしたい場合に
機械側でオフセットを0→-0.005(半径分なので半分の数値)
もしくは工具に10mmを使用して仕上げた場合5→4.995にする
(CAMソフトや機械によって変わる場合アリで弊社の場合は前者です)
このDのあとの数字は、通常T番号と同じ数字が入りますので
T12ならD12になります。
逆にこのD番号を入れ忘れると?
機械や使用ソフトによっては
最悪工具の半径分を食い込ませる惨事となってしまいますので必ずチェックが必要です。

円形状外周側面仕上げのプログラム
ではプログラムに行きたいと思います。
今回はT番号12で10mmのフラットエンドミルを使用します。
アプローチ、エスケープはともに5mmで
円弧アプローチ(F100)、円弧エスケープ(F100)を使用しています。
T,H,Dともに同じ12でないとおかしいのでそこもチェックします。

N0001
(DIAM=10.0000,FLAT)
T12・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今回の使用工具番号
M06
T12
G90G00X0.Y0.
G43Z100.S1000M03H12
M08
G17G00Y-37.5
Z5.
G01Z0.F80
G41D12G17X5.F100・・・・・・・・・・・・・・・今回T12なのでここにD12がちゃんと入っているかチェック
G03X0.Y-32.5R5.・・・・・・・・・・・・・・・・X0、Y-32.5から円弧アプローチ5mmを入れています
G02X-32.5Y0.R32.5F250・・・・・・・・・・・・・G02円弧補完(時計回り)G03円弧補完(半時計周り)
X0.Y-32.5R-32.5・・・・・・・・・・・・・・・・・32.5の数字はソフトによっては27.5になる場合がある
G03X-5.Y-37.5R5.F100
G40G01X0.
G00Z100.
G17Y0.
M09
G91G28Z0.M05
M1
M30
%
今回のプログラムでは円のRがR表記となっていますが、
ポストによってはI,J,Kの場合もあります。

実際半径27.5mmを10mmの工具が走るため、工具半径5mm分を足したR32.5となっていますが、
ここはCAMソフトによってはR27.5となっていたりして、機械側オフセットで工具半径分の5mm前後の数値を入れる形となります。
なのでここが27.5mmになっている場合にD番号が入ってないと、、、
27.5の軌道で走る(つまり10mmの工具を使用すれば22.5mmを仕上げてしまう)
ためにやらかしてしまうわけですね。
G02円弧補完ですが、これは今回コア形状を仕上げるのに、
時計回りに切削していくため入っています。(その逆はG03の反時計回り)
まとめ
但しコア形状G02、キャビ形状G03というのは共にダウンカットの場合に限ります。
とりあえず使用する工具を間違えず、工具径補正コード(D番号)がいれてあればOKです。
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