5軸加工機を導入するメリット ワークセッティング編

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5軸マシニングセンターを導入するメリットとしてまず挙げられるのがワンチャッキング(一度のセッティングで底面以外の5面加工が可能)です。

 

ワークをひっくり返す必要がなければそれだけ平行出しなど面倒なセット作業が短縮できたり、ワークを外さないことによる精度向上も期待できます。

 

また作業の段取り手間が省かれるため時間効率も良くなりますし、部品加工の分野ではロボットを使った自動化(無人化)にも一役買っているところがありますよね。

その他には工具の突き出し長を短く出来たり速い周速での加工により面品位の向上や工具寿命の延長も見込めるなど。

 

しかし、実際に5軸加工機を使ってみると、どうやらメリットはそれだけではないようです。

今回は、ワークのセット時に5軸を導入することによって得られるメリットを書いてみたいと思います。

 

以前書いた5軸を導入するメリットについて書いた記事

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金型加工における5軸マシニングセンタを導入するメリットとは? 5軸を導入してもうちではそれほどの使い道が思いつかない... 5軸だと主軸ぶつけそう... プログラムもなんだか難しそう... うちは3軸で十分! そもそも値段が高い!!...

 

目次

5軸加工機のワークセット時のメリット

画面はSIEMENS840Dです

上の写真を見て、勘の良い方はすぐに気付くかもしれません。これはY方向に2点測ると機械がC軸の平行を出してくれるという画面です。

(X方向に2点測る場合も可能です)

 

5軸加工機を導入するメリットとして、ワークセットの平行出しの際2点を指定すると、AorB軸、またはC軸が自動で動き、平行を出してくれる機能が備わっているんです。

これは想像以上に便利ですよ。

最近では3軸のマシニングセンターでも同じような機能がありますが、当然ながら3軸の場合はC軸が平行になるようには動いてくれません。個人的にはそれだと信用できないイメージがあります。C軸が平行になるように動いてくれて、実際に平行度を測ってみてもちゃんと出ているという方が信頼性がありますよね。

5軸のA軸?B軸?C軸?ってそもそもどこのこと?

そもそも5軸のA、B、C軸って何?どこの軸なのかよくわからない。

実際に5軸加工機を動かしたことがない方にとってはどこのどんな軸なのかわからないかもしれません(私はそうでした)ので、ここで誰でもわかるように解説いたします。

 

A軸とは?

A軸というのはX軸を垂直に回る軸のことです。

X軸を中心に回転する軸というわけですね。

 

B軸とは?

B軸というのはY軸を垂直に回る軸のことです。

Y軸を中心に回転する軸というわけですね。

 

C軸とは?

C軸というのはZ軸を垂直に回る軸のことです。

Z軸を中心に回転する軸というわけですね。

 

機械によってAorB軸で、C軸はどの機械も共通

5軸加工機の構造によってA軸とC軸という仕様だったり、B軸とC軸という仕様だったりとまちまちです。

それにC軸は360°ぐるっと回転するのに対し、A軸とB軸は360°は回らず、

機械の仕様によってまちまちなのですが、+100°~-10°など大体120°前後のようです。

B軸とC軸が平行を出してくれる

Z2点を測ると機械がB軸のワークの平行を出してくれる画面です

さて、話は戻りますが、2点端面をプローブで拾うと軸が動いて平行をだしてくれる機能は大変有用です。

弊社の場合はB軸とC軸なのですが、セットは非常に楽です。

とりあえずワークをテーブル又はバイスに締め付ければいいだけなんですからね。

あとは2点測って、起動ボタンを押すだけで平行が完了してしまいます。

後から試しにピックテスターで測ってみると、1000分代が微動だにしないくらい正確に平行が出ています。

 

まとめ

ではまとめです。

5軸加工機は2点測れば機械が平行を正確に出してくれる(実際にそれぞれの軸が動く)機能がある
A軸はX軸を回転する軸
B軸はY軸を回転する軸
C軸はZ軸を回転する軸

3軸加工機での平行出しの経験がある方はわかると思いますが、あれって結構面倒なんですよね(笑)。

5軸加工機だと何も考えずにテーブルやバイスに締め付けをすれば良いだけになるので、肉体的にもですが余計な神経を使わなくても良い分精神的にも楽になります。

 

メーカーは2点で平行が出せるなど、わかりきったようなことはいちいち宣伝しないかもしれません。しかし作業者側からすれば、私はとても大きなメリットなんじゃないかと思っています。

 

ということで、

今回は5軸加工機のワークセットの際のメリットについてでした。

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