どの工作機械にも機能としてついている「MDI」。
これって、何の略なのか皆さんご存じでしょうか?
私は正直MDIはMDIだとずっと思っていたのでw、気にも留めませんでしたが、今回はそんな「MDI」について分かり易く解説したいと思います。
工作機械の機能「MDI」とは?
「MDI」は、工作機械やNC(数値制御)マシンのコントロール界面に関連する用語で、”Manual Data Input“の略称です。
MDIは、オペレーターが機械に直接指令を入力するためのモードや機能を指します。
具体的な機能としては、以下のような点が挙げられます。
直接のコマンド入力
オペレーターが手動で数値制御コード(例:GコードやMコード)を入力し、そのコマンドに基づいて機械を動かすことができます。例えば、特定の位置に移動させたいときや、特定の工具を交換するためのコマンドを直接入力することができます。
たとえば、工作機械のスピンドルの回転を開始するために、M03
というMコードをMDIモードで入力し、スピンドルを回転させることができます。また、G00 X100 Y100
のようなGコードを使用して、機械のカッターを(100,100)の位置に迅速に移動させることもできます。
単純な動作のテスト
新しいCNCプログラムを実行する前に、その動作を部分的にテストしたい場合にMDIモードを利用します。
例えば、新しい切削パスの最初の部分だけをテストしてみたい場合、その部分のGコードをMDIモードで入力し、期待通りの動作をするかを確認します。
修正や調整
既存のプログラムの一部を変更する場合や、細かい調整が必要な場合にMDIモードを使用します。
たとえば、ワークピースの位置がわずかにずれていると気づいた場合、MDIモードを使用して、数ミリメートルだけワークピースを移動させるコマンドを入力することができます。
緊急の操作
機械が想定外の動作を始めた場合や、何らかの問題が発生したときに、MDIモードを使用して緊急に機械の動作を制御することができます。
例えば、切削中に工具が破損した場合、MDIモードを使用して、工具の位置を速やかに変更し、切削を停止するコマンドを入力することができます。
なお、Gコード、Mコードのプログラムについては以下のページに詳しく書いています。
まとめ
如何だったでしょうか?
MDIモードは、工作機械を操作する上で非常に便利な機能の一つですが、これらの利点を享受する一方で、MDIモードを使用する際の注意も絶対に忘れてはなりません。
オペレーターが直接機械への指令を入力するため、誤ったコマンドや不正確な操作が機械の損傷や事故につながる可能性があります。
例えば私の場合、原点復帰に「G91G28Z0」と入力しなければいけないのに、「G90G28Z0」と入力して早送りでZが下がり、プローブの先端を折った経験がありますw。
最後に、MDIモードの知識と正しい使用方法は、現代の工作機械やCNCマシンを操作する際の基本とも言えるでしょう。
これにより、オペレーターは機械の動作をより柔軟に、そして効果的に制御することが可能となります。その重要性を理解し、正確かつ安全に操作を行うことで、生産性と品質の向上に寄与することができます。