金型の3プレート構造について 固定側の動作を世界一分かり易く解説【ピンポイントゲート】

金型の3プレート構造というのは、主に「ピンポイントゲート」を用いるときに利用する構造です。

ピンポイントゲートの詳しい解説についてはこちらからお願いします。

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金型には固定側、可動側とで分かれておりまして、今回の3プレートというのは固定側のほうのお話になります。

というわけで、今回は3プレート構造の固定側の動きについて書いてみたいと思います。

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金型の3プレート構造:金型が開く順番

サイドゲートやサブマリンゲートの場合は基本的に2プレート仕様となり、固定ベースと取付板の2枚のプレートで構成されていますが、ピンポイントゲートの場合は、固定ベース、取付板の間に中間板(中間プレートまたはランナーストリッパープレートともいう)が追加されます。

この中間板が最終的にピンポイントゲートのランナーを取り出すための役割をします。

2プレートの場合は、金型が開くとまず、固定ベースと可動ベース(つまりPL)が離れます。しかし3プレートは金型が開くとまず、中間プレートと固定ベースの間が離れる構造となります。

もっと詳しく解説:プラロック・プラボルトを使用する

上の図の解説をしますと、金型が開く際、「最初にまずここが開く」というところが開いていきます。

最初はPLじゃないの?と思われるかもしれませんが、3プレート構造の取り出し順序では、最初に製品とランナーゲートを切り離す、という工程が必要になります。というわけで、中間プレートと固定ベースが最初に開けば、強制的に製品とランナーは切り離されることになるわけです。

しかし、固定と可動をしっかりと固定していなければ、型が開いたときに釣られて固定ベースも開いていってしまいます。それを止めるために固定と可動の間には「プラロック」という開き防止のためのボルト(外側はプラスチック、中はボルト)を設けます。プラロックは強く締め付ければPLが強力に保持され、ちょっとやそっとじゃ開かないほど強い力で型開きを防止します。

そして、中間プレートと固定ベースとの開きが、ランナーが取り出せる位に開いてくると、次にプラボルト1のツバが固定ベースに当たります。ここまではまだ、PL面は開いていません。プラボルト1のツバが固定ベースに当たると、そこからプラボルト1が固定ベースを引っ張っていく形となり、ようやくPL面が開いていきます。

その後、プラボルト2に力が加わることで、プラボルト2のツバ部に5mmほどのスキマがあるのですが、ツバが底に着くことで、固定取付板と中間プレートとの間に5mmのスキマができ、ランナーを保持していたランナーロックピンがランナーから抜ける→ランナーが取り出せる、という流れとなります。

※プラロック、プラボルトは双葉電子工業株式会社の部品です

絵でわかりやすく

と、文字で解説してもなかなか理解が難しいかもしれませんので、図で改めていってみようと思います。

始めに固定ベースと中間プレートの間が開きます。そのあとプラボルト1のツバが固定ベースに当たり、ここからPL面が開きます。

最終的にこのように固定取付板と中間プレートとの間が5ミリほど開く形となり、ランナーからランナーロックピンが完全に抜けて、製品とランナーが取り出せる形となります。

ChatGPTでの3プレート構造解説

金型の3プレート構造をChatGPTに聞いてみるとこんな感じでした。

以下に金型の3プレート構造の説明を記載します。

金型の3プレート構造は、金型を構成する3つのプレート(板)からなる構造です。一般的に、金型の上部に位置する「上プレート」と、下部に位置する「下プレート」、そしてその間に位置する「中間プレート」からなります。

上プレートは、金型の開閉を制御するための射出成形機に取り付けられた固定プレートに接続されます。中間プレートは、上部プレートと下部プレートの間に挟まれており、射出成形プロセス中にモールドキャビティーを形成するための溝や穴が設けられています。下部プレートは、成形品を取り出すための射出成形機に取り付けられた固定プレートに接続されています。

3プレート構造の金型は、成形品を取り出すために必要なオフセットスペースを提供することができます。また、金型の設計によっては、金型の組み立てや解体が容易であるため、生産性が向上することがあります。

私に読解力がないだけなのでしょうか?正直…なにいってるかわからないです。

最後の一文に関しましては、非常に稀なのでは?と思います。3プレートの金型は、設計も加工も組み立ても解体も基本面倒です。

もう一つ、「3プレート構造に必要なパーツは何か?」も聞いてみました。

3プレート構造の金型に必要なパーツには、以下のようなものがあります。

  1. 上部プレート – 金型の上部に位置するプレートで、射出成形機に取り付けられた固定プレートに接続されます。
  2. 中間プレート – 上部プレートと下部プレートの間に位置するプレートで、射出成形プロセス中にモールドキャビティーを形成するための溝や穴が設けられています。
  3. 下部プレート – 金型の下部に位置するプレートで、成形品を取り出すための射出成形機に取り付けられた固定プレートに接続されます。
  4. スプルー – 射出成形プロセス中にプラスチック原料を金型に送り込むための管状の部品で、一般的には中間プレートに取り付けられます。
  5. ガイドピン – 金型の上部プレートと中間プレート、中間プレートと下部プレートの間で位置を合わせるためのピン状の部品です。
  6. インジェクションピン – 射出成形プロセス中にプラスチック原料を金型に送り込む際に使用されるピン状の部品で、一般的には中間プレートに取り付けられます。
  7. イジェクターピン – 成形品を金型から取り出すために使用されるピン状の部品で、一般的には下部プレートに取り付けられます。

これらの部品を組み合わせて、3プレート構造の金型を構築することができます。

なにか違う答えが返ってきていると思うのは私だけではないでしょう。。。

やっぱりChatGPTは金型の知識に弱い印象です。

まとめ

では、まとめです。

  1. 3プレートの場合、最初に開くのは中間プレートと固定ベースの間
  2. 次にPLが開き、固定取付板と中間プレートの間が開く
  3. ランナーからランナーロックピンが抜ける
  4. 製品とランナーが取り出し可能になる

プラボルトやプラロックは一般的には4本づつの使用でなるべく上下左右対象になるように配置をしますが、小さな金型ですと、2本づつで良い場合もあります。

今回のは弊社でよく利用する方法ということで、あくまでも一例であり、部品もプラボルト、プラロックではなく、引張リンクや別のパーティングロックを使った方法など金型によってやり方は様々です(原理は基本的にどんなパーツを使っても同じです)。

というわけで、今回は3プレートの固定側の動きについて書いてみましたが如何だったでしょうか。

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