3次元CADCAMを動かすために必要なPCスペックとは?

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CADCAMを動かすにはどれくらいのPCスペックがあれば良いのでしょう?

それはCADのみ、CAMも、流動解析、多くのパーツのアセンブリを扱うなど用途によってさまざま、というのが結論になってしまいます。

 

ではもう少し具体的にいくとしまして、

最低限のスペックはどの程度あれば良いのか?や、ワークステーションでないとだめなのか?など、入門者向けに今回は解説していきたいと思います。

目次

3次元CADをあつかう最低限のスペックとは?

使用するソフトによって多少の違いはあるかもしれません。

しかし、3Dを動かしたり、一つのものを設計するくらいであれば実はそれほど高スペックなPCは必要ないのです。

 

例えば弊社が使用しているSolidworksでいえば、

メモリ 8GB

CPU CORE i5 (i3でも大丈夫)

グラフィックボード NVIDIA QUADROエントリーモデル以上のような非力な構成でも余裕で動作してしまいます。

 

グラフィックボードはQUADROでなくても、もっと安価なもの(例えばGeforce下位クラス)でも良いのですが、3Dを扱う場合はやはりQUADROのほうが良いようです。

 

ではなぜCADを扱う場合、GeforceよりもQuadroのほうが良いのでしょうか?

これからGeforceと比較しながらCADを扱う上でのQUADROのメリットを解説します。

DirectXとOpenGLの違いとは?

主にグラフィックボードメーカーにはNVIDIAとAMDの2社がありますが、

NVIDIAが全体のシェアの8割を占めていると言われています。

NVIDIAには一般向けのGeforceとクリエイター向けのQUADROという2種類が存在しており、

  • Geforce…………ゲーマー向け、一般向け
  • QUADRO………クリエイター向け、3DCG,3DCAD,動画編集

というように絶対ではありませんが使用目的が違うように出来ています。

 

これにはAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)

というものの存在が関係しており、それぞれGeforce=DirectX

Quadro=OpenGLと違うものが使われているからなんですよね。

ここの違いがわかれば

さらに用途の違いを理解することができるでしょう。

(OpenCLというのもありますが、今回は割愛させていただきます)

 

では、引用文になりますが以下にそれぞれのAPIの違いを掲載させていただきます。

Geforce=DirectX(ダイレクトエックス)とは?

DirectXは、Microsoft開発のAPI

(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)です。

パソコンゲームの処理のために使用されています。

なお、アプリケーションをプログラミングする場合、それなりの手間がかかります。

APIは、そんなプログラミングの手間をできるだけなくした、

簡素なプログラミングのインターフェースを指します。

Windows自体、もともとゲーム用に作られたものではないため、

専用の機能が備わっていませんでした。

そのため、DirectXをWindowsに組み入れることによって、

ゲームや動画といったマルチメディアを快適に処理できるようにしています。

なお、DirectXはWindowsをはじめ、Xboxシリーズにも広く活用されている技術です。

COMPUTER SHOP ドスパラより引用

 

QUADRO=OpenGLとは?

米Silicon Graphics(シリコングラフィックス)社が中心となって開発した、

3次元グラフィックス処理のためのAPI

(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)のことです。

ハードウェアやOS(Windowsなどのオペレーティングシステム)に

依存しない形になっており、

3次元グラフィックスに関する機能が充実しています。

LENOVOより引用

上記を読んでいただけるとなんとなくわかってもらえるかもしれませんが、

APIというのは一言でいえば「あらゆるソフトの機能を共有化させる仕組み」です。

いわゆる最適化ですね。

 

2つの違いを簡単にまとめますと、

Geforceはゲームに強く、CADに強くない、

QUADROはゲームは強くないけど、CADに強い、ということになります。(そのままか!)

Geforceは8bit、Quadroは10bit

8bit?10bit?聞いただけではどんな違いなのかさっぱりですよね。

これらは、出力できるカラーの数に違いがあり、その差が段違いなのです

8bitであるGeforceは1677万色を表現できるのに対し、10bitであるQuadroはなんと10億6433万色も表現できるのです。

 

10bitであるQuadroが映像関係(写真、動画)やCADなどCG関係に強い理由はこういうところにもあります。

 

(注意)ただし10bitをフルに生かすにはディスプレイポートのケーブルと

10bit入力可能なディスプレイが必要となっていますので注意してください。

 

有名なところではEIZOのColorEdgeというディスプレイがあります。

誰がみても一目瞭然なほど発色がキレイに映るのでお勧めです。

10億色だと、1677万色では表現しきれなかった部分も表現できるようになり、より自然に近い色合いを出せるのが特徴で、デザイナーや写真家にも愛用者が多いみたいです。

 

マウスコンピューターでもワークステーションやゲーミングPCがカスタマイズ可能です。

HPやDELLに比べて安価に高スペックなPCが組めますので個人的に大変おススメです!

ワークステーションでないと駄目?

さて、ここで本題に戻ります。

ワークステーションと呼ばれるパソコンか普通のPC、CADを動かすにはどちらがお勧めなの?と問われればそれはもちろんワークステーションになります。

しかし、普通の安価な市販のPCでもSolidworksを作業するくらいならほぼほぼ問題ありませんし、グラフィックボードもQuadroを積んでいなくても難なく処理してくれます。

 

ただしCATIAなど一部のハイエンドソフトでは、そこそこハイスペックなワークステーションとグラフィックボードの性能を要求されるようです。

弊社のワークステーションのスペック

最後に弊社で使用しているワークステーションのスペックを簡単にご紹介します。

メーカー HP Z420

CPU   Xeon(INTEL) E5-1620 3.6Ghz 8コア

メモリ 8GB

記憶媒体 SSD512GB(OS)データ用512GBx2

(HDDはオリジナルの状態からすべて換装しています)

グラボ Quadro 620k ←弊社ではこれで十分です

その他DVDドライブなど。

 

もう8年ほど動いていまして、そろそろ替え時に来てるんですよ。

幸いなことにここ10年くらいはPCの性能が劇的に変わることがなかったので

今も現役で使えています。

因みに、CPUってやっぱりコアの数よりもクロック数のほうが重要らしいので、一昔前のものと最新の同価格帯のものを比べても、コア数が多くても一つのクロック数が低ければ、一昔前のCPUのほうが処理が早く有能だったりします。特にこのあたりが10年くらいあまりPC(CPU)の性能が変わってないところですね。

 

いや、確かにCPUの性能は「第〇世代」という呼び名で年々上がってきているのは確かなのですが、実際にCADを動かすのに、ひと昔ふた昔前のPCであろうが今のであろうが、現実ほとんど動作に差がないのです。

 

という感じで、結局は使用ソフトによるところが大きいですが、Solidworksで3D(CADCAM)を扱うくらいであれば

ハイスペックなPCは必要ありませんし、グラボもエントリーモデルで十分です。

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