Solidworksを使用するためのスペックについては過去に書きましたが、
今回はグラフィックボードのQuadroとGeforceで
出来る事と出来ない事の違いは何か?についてです。
SolidworksでのQuadroとGeforceの決定的な違い
Solidworksは推奨グラフィックボードとしてNVIDIAのQuadroが推奨されていますが、
実際はそれでなくても動かすことが出来ます。
それこそマザーボードに付属しているIntelHDグラフィックスであっても
多少ぎこちない動作もあるかもしれませんが概ね大丈夫です。
じゃあわざわざ高価なQuadroのグラボやQuadro搭載のノートPCなんか買わなくても
良いじゃないか?となるわけですが、デザイン面も含めて本格的に使用しないのであれば
それでOKなのです。
Quadroである必要はない?
というのもQuadroに出来てGeforceに出来ない事の大きな違いは
表示される製品外観の質感などまで細かく表現する「RealView Graphics」の有無となります。
![](https://meigikanagata.com/wp-content/uploads/2021/01/9.jpg)
Quaro搭載PCにはこのように画面上に選択肢が出てきます
逆に私が自宅で使用しているPCはGeforce RTX2060ですが、
こちらにはその「RealView Graphics」の選択肢が出てきません。
![](https://meigikanagata.com/wp-content/uploads/2021/01/11-300x231.jpg)
Geforceの場合、出てきません
RealView Graphicsとは?
「RealView Graphics」というのは、例えば画面上の製品を
「へこみのあるプラスチック状」にしたい場合Quadroならこういった表現が可能です。
![](https://meigikanagata.com/wp-content/uploads/2021/01/14-700x385.jpg)
わかりにくいかもしれませんが、製品表面がぼこぼこした形状になっています
しかし、Geforceの場合、同じ「へこみのあるプラスチック状」にしようとしても
![](https://meigikanagata.com/wp-content/uploads/2021/01/13-700x440.jpg)
どれだけ外観を変えようとしても変化がありません
では、その下の「円形メッシュプラスチック」だとQuadroの場合どうでしょう。
![](https://meigikanagata.com/wp-content/uploads/2021/01/15-700x373.jpg)
実際には穴はあいてないけど穴があいているように表現が可能
しかし、Geforceの場合だと全くと言っていいほど変化が見られません。
![](https://meigikanagata.com/wp-content/uploads/2021/01/16-700x427.jpg)
Geforceの場合はほぼ表面の変化がありません
グラボの値段(上位機種)に比例して操作感は向上するか?
現在会社で使用しているPCのグラボはQuadroのM4000が搭載され、
メモリ32GBでCPUもXEON24coreのそこそこ高性能なものが積まれています。
(ちなみにHPのZ440で、Z440ではかなりのハイスペック仕様)
しかし以前はQuadroM620を使用していましたが、
凄く滑らかに動くようになったか?動作が速くなったか?というと
実は全くと言っていいほど体感で違いを感じることが出来ませんでした。
新たなPCに変えたときにスペック的にも
そういう動作がさらに良くなるかも等の期待があったのですが、
全くといっていいほど動作や操作感は変わらず、
CPUに高性能なものを積んでいても、実際にSolidworksで使われるCPU負荷率は
たったの10%程度までしかありませんでした。
実はエントリークラスで十分?
つまり、CPUとグラボにはSolidworksの場合はそんなにハイスペックなものを用意しても
お金のムダというやつで、エントリークラスのもので十分ということがわかりました。
例えばこれとか
CPUだと、これとか
これあたりで十分かと思われます。
ただ、メモリだけは大きな解像度の画面(4k)を使用する場合は
最低16GB、できれば32GB搭載させておいた方が良いです。
こちらは経験済みなのですが、4k画面で8GBくらいのメモリしかないと
メモリ使用量を超えてしまいソフトが強制終了してしたり、画面が止まったりする
現象が度々起こってしまいます。
まとめ
ということで、QuadroとGeforceの大きな違いは
「RealView Graphics」が使えるかどうかで、
プレゼンするときなど、質感やデザインにこだわりたいというのであれば
Quadroは必須ですし、逆に家で使うだけとか弊社のように金型設計やNC作成を
目的とされている(デザイン目的ではない)場合はさほど必要ではない機能だと思います。
しかし、QuadroのOpenGLのほうがやはりCADに強く、
多少重いデータでも動きはより滑らかで
ズームした後の拡大図でも細かい形状表示が崩れにくい傾向にあります。
Quadro搭載PCに越したことはないですが、
安価なGeforce搭載のノートブックでも十分動くので、
デザインまでこだわるのであればQuadro、もっとライトな用途なら
Geforceでも全然OKです。
![](https://meigikanagata.com/wp-content/uploads/2023/07/PC1-300x225.png)