他社の金型を修理する際に、弊社でしょっちゅう困ることがあります。
それは、
金型の各プレートにアイボルトの穴があいてないために
金型が非常にばらしにくいことです。
サイドゲートやサブマリンゲートの2プレート仕様ならまだしも、
ピンゲート用の3プレートともなると、型の大きさによっては非常に困ることになります。
プラロックが誤って締めた状態になっていたりすると…金型のPLを開けるだけで
とてつもない労力を要することも。。。
そこで、今回は金型の各プレートには必ずアイボルトをあけるべき!ということについて
書いていきたいと思います。
射出成型金型のモールドベースには各プレートにアイボルトが必要
なぜ、アイボルトが各プレートに必要か?といえば、
もうすでに書いてしまいましたが、第一に金型がばらしにくいことがあります。
小さな金型ならなんとかなるかもしれませんが、大きな金型だと…
生命の危機を感じるほど危なっかしいことをしなければならなくなることも。
そのほか、プレートを各機械に移動させる際の移動手段も不自由になります。
ということで、通常新品のモールドベースというのは
可動型のみにアイボルトがあいています。
こんな感じに。
上の図は3プレートのピンゲート用のベースです。
プレートごとの移動手段というのは磁石(マグネット)を使うなど、各社さまざまあるかと思われますが、
一番確実なのはアイボルトを使うことですので、もしもの時のためにも、やはりあけていて損はないのです。
各プレートにアイボルトをあけた例
全プレートにアイボルトをあけると次のようになります。
弊社ではラジアルボール盤でアイボルト穴を金型製作に取り掛かる前にあけています。
毎回少し面倒に感じることもありますが、やっておくと後々楽になりますからね。
巨大な金型の場合はスペーサーブロックにも必要
金型が大きくなると、上の図のように各プレートだけでなく、
スペーサーブロックにもあけておいた方が後々良いと思います。
どのくらいの型の場合になるとそれが必要かというと、
ずばり!両手で持てない重量になる場合!です。
当たり前か!
大きさでいえばスペーサーの大きさが500x90x110くらいですかね。
それくらいだともう調子こいて手で持つと腰をやられる可能性が出てくるかと思います。
ちなみにそのスペーサーにはどのくらいの大きさのアイボルトが良いかというと?
それぐらいならM12で大丈夫です。もう少し大きくなるとM16。
まあそこは経験者の方でしたら、大きさ見ただけで大体わかりますけどね。
まとめ
ということでまとめに入ります。
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モールドベースの加工に取り掛かる際、まずはアイボルト穴をあけること
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あける理由は各プレートの移動、分解、組み立て、最終調整、動作確認を容易に行うため
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大きさによってはスペーサーブロックにも必要
金型製作時だけでなく、後々の修正時のことも考えてアイボルトは
各プレートに必ずあけておくことをお勧めいたします。
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