ネジ製品の金型を設計する際の注意点:一部が外に広がりやすく楕円になりやすい例

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樹脂のネジ製品は真円度を見ると意外と四方八方に

大きかったり小さかったりと、なかなか寸法的に安定しない部類です。

そんな中今回は楕円になりやすいネジ製品の例を挙げてみたいと思います。

目次

楕円に注意したいネジ製品の形状とは?

真円度が安定しないネジ製品の例として、

肉厚が均一でないものが挙げられます。

例えば上から見て、左右方向は通常の肉厚なのに、上下方向を見ると

ストレートにカットされたような製品の場合がそれです。

例えば👇こんなの。

(注)左右がカットされた製品でもちゃんとネジの機能を果たします

あくまで弊社の経験上の話ですが、

このような製品の場合は大抵楕円になり、更に

ネジが反ってしまい、入り口の径が大きく、

中間から下にかけては収縮して逆に

径が小さくなりがちです。

※但し製品にもよるので一概には言えません

製品によるので一概には言えませんが

こういった現象を防ぐには、過去記事👇にもしましたが、

ネジ径、ネジ部共にテーパをつけておくのが得策です。

樹脂金型でのネジコア作成とモーター抜きでの抵抗が強い時の対処法

ネジ入り口に向かってテーパをつけておく

あらかじめテーパはつけておいた方が良いですが、

どれだけの反りや変形があるかは正直一度成形してみないとわからないため

難しいところでもあります。(弊社の経験上は0.3°~1°位)

その他ネジ変形で気を付けたいところ「めねじ」編

その他、ネジ形状が変形する例として

製品でいう「めねじ」の場合

ネジ付近にリブが隣接していたり肉厚が大きいところと小さいところが混在していると

樹脂の収縮で引っ張られることで、ネジ径が変動し、形状も楕円に変形してしまいます。

 

そういった場合に備えて、製品が「めねじ」の場合は

後から修正できるようにあらかじめネジコアを大きく作っておくことです。

例:M36のめねじ部分があるABS製品の場合、

金型寸法は36 x 1.005(収縮率)=36.18mm(直径)となりますが、

それにプラス0.3~0.5mm大きく、36.5~36.6mmあたりを最初は狙って作っておく。

まとめ

ではまとめ

  • ネジ製品は反りや変形が起こりやすく、真円度が出にくい
  • 入り口に向かって広がってしまう製品もあるので、テーパをあらかじめ付けておくと良い
  • 肉厚の違う製品の場合は楕円になりやすい
  • めねじの製品(型でいえばネジコア)を製作するときは最初は大きく作っておく

ネジ製品は正直一度成形してみないとどう変化するか読みづらいところがあります。

また製品によりますが、水回りに使われるものの場合

「ネジゲージ(限界ゲージ)」をクリアしなければならず、

そういったものは寸法的に非常にシビアです。

(というか寸法は合ってるのになぜかゲージは硬い…というケースも多々あり)


 

ということで、今回はネジ製品の反りや変形について書いてみました。

またネジ関連について書く機会があれば書きたいと思います。

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