射出成型金型のランナーの形状には大まかに2種類の形状があり、丸型と台形があります。
👆のような感じで、丸型は固定と可動両方に半円づつ加工し、
台形は可動にのみ、側面に排出しやすくするために勾配をつけて加工します。
ランナーは丸型と台形どちらが良いか?
台形のほうが固定側に加工しなくても良い分、楽というか手間が省けますよね。
しかし、樹脂の流動性という面では台形は丸型に劣ります。
樹脂は射出されると外側表面部から固化されていくため、
丸型、台形ともに中央部分から樹脂が流れるわけですが、
その樹脂の流れる体積が
どうしても丸型に比べて台形のほうが小さくなってしまうためです。
丸にするか台形にするかは、樹脂の種類や製品の大きさ等によります。
また、製品によってはランナーの大きさだけでなく、
長さも調整することがあります。
ランナー形状の大きさって一般的にどのくらい?
ランナーのおおよその大きさについては丸型、台形共に
小型~中型程度の金型の場合、4mm~6mm程度が多いです。
ものによっては8mmくらい(もしくはそれ以上も)にする場合もあります。
(製品と樹脂圧力の関係等も考慮し決定します)
※上の画像に台形の方は「切削は可動のみ」と書いてありますが
これは記述ミスで、固定、可動どちらか一方のみです。
台形の側面につける勾配は、弊社では5°~6°あたりが多いですね。
勾配を付けるのは単純に抜き勾配と一緒で、取り出しやすくさせるためです。
また3プレート構造の固定ベース裏側に加工するピンポイントゲートのランナーの場合は
一般的に台形のみの形状となります。
ランナー加工で使用する工具は?
ランナーの加工に関しては
丸型の場合はボールエンドミル、
台形の場合は、ラジアスエンドミルor角度付きエンドミルでの加工になります。
まとめ
- ランナーの大きさは製品により変わる
- 一般的には丸型、台形共に4mm~6mm程度が多い
- ピンポイントゲートのランナーは台形のみ
- 丸型は固定可動両方に半円づつ加工
- 台形は可動のみで、側面には勾配を付けて加工
ということで、今回は一般的なランナー形状の
基本的な部分について触れてみました。
しかし、ランナーの幅や深さが4~6mmというのもあくまで目安で、
製品がかなり小さいものの場合は2.5mm~3mmというものも
ありますし、いきなり樹脂が入り過ぎてしまうのを防ぐために
タブゲートにしたり、道中に薄い捨て板の形状を加工するという方法もあります。