FANUCのNCプログラムをやさしく解説 Gコード Mコード 初心者用

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FANUCのNCプログラム Gコード Mコード

簡単ではありますが、NCプログラムで使うFANUCのGコード、Mコードの一部をやさしく解説します。

FANUCは国内ほとんどのシェアを獲得しているため、とりあえずFANUCを覚えておけばなんとかなります。

こちらの機械もNCプログラムで動かせます

S (主軸の回転数)

主軸の回転は S で表されます。Sの後に回転数をいれます。

1000回転で主軸を回したい時は S1000 M03 と入力すればOKです。

主軸回転命令はこれを1セットで覚えておきましょう

S1000というのは、1分間に1000回転回るという意味です。

そしてM03というのは、

主軸を右回り(時計回り)での回転を命令するコードで、Mコードの一つです。

ちなみにM04だと左回り(半時計回り)になりますが、ほとんど使用しません。

小まとめ

1000回転で主軸を回転させる場合

S1000 M03

 

右回り(ダウンカット)M03

左周り(アップカット)M04

 

MDIでこれを入力してみるとすぐに確かめることができます。

弊社ではほぼM03しか使いませんし、切削の基本はM03のダウンカットです。

F (フィード)

F とは「フィード」と呼ばれ、主に切削やアプローチ、エスケープなどの際の送り速度として用いられます。

Fの次に送り速度の数字を入れます。

F1000 だとF1000で送るという意味になるのですが、Fの1000ってどのくらいの速さなのか、単位そのものが分からないから想像できないですよね。

 

これは「1分間あたりの送り量」という数字で、F1000だと1分間に1000mm(1メートル)動く速度という意味になります。

小まとめ

Z5.まで早送りで下がり、Z-10.までF50でアプローチする場合

G00 Z5.;

G01 Z-10. F50;

となります。

ちなみにG00はざっくり位置決めと一般的にはなっておりますが、指定の位置まで早送りと覚えておいたほうが分かりやすいと思います。

G01は直線補間という意味ですが、要は上のコードでいうとF50の送り速度でZ-10.まで動かしていきますよって意味です。

ここでG01がない場合はG00が有効中となり、早送りでZ-10.までいってしまうことになってしまうため、どっか~んとクラッシュをやらかしてしまいます。(これ工具によってはビビる位かなり大きな音するんですよね、主軸のためにも本当に工具をぶつけるのは恐怖です)

G01 X~Y~Z~ F~ という形を1セットで覚えておきましょう

T (ツール番号)マシニングのみ

Tというのはマシニングに使用するのですが、ツール番号の意味でTのあとに工具の番号を入れます。

12番の工具を呼び出したい場合は

T12

M06

と入力します。

これでT12にツールチェンジできます。

M06は工具交換の命令です。

小まとめ

12番の工具に交換したい場合

T12;

M06

これを1セットとして覚えておきましょう

MDIですぐにでも試せます。

ちなみに改行すると;という「エンドオブブロック」というのがつきますが、

これは改行すると勝手につくので気にする必要はありません。

実践編

では、ここで簡単なプログラムの一例を紹介します。

これが分かれば手打ちでもある程度打つことが出来るし、NCプログラムの間違いなんかを探すことも出来るようになります。

 

10mmフラットの工具で円弧アプローチでX15.からX-15.まで直線を切削し、円弧エスケープしての終了というプログラム例です。

今回は工具径補正は無しです。

 

 

 

G91G28Z0 ・・・・・・・・・・・・・Z原点復帰 (リファレンス点復帰)

(FLAT-10mm)・・・・・・・・・・・・・使用工具

T12・・・・・・・・・・・・・・・・

M06・・・・・・・・・・・・・・・・T12に工具交換

T12・・・・・・・・・・・・・・・・次の工具番号、今回は次がないのでT12のまま

G90G00X0Y0・・・・・・・・・・・・XY初期値に早送りで移動(G90は

S1000M03・・・・・・・・・・・・・主軸を1000回転

M08・・・・・・・・・・・・・・・・クーラント(切削油)ON

G43Z100.H12・・・・・・・・・・・・工具長補正+

G17・・・・・・・・・・・・・・・・XY平面を選択

G00X15.Y-10.・・・・・・・・・・・・

Z-8. ・・・・・・・・・・・・・・・早送りでX15.Y-10.Z-8.まで移動

G01Z-10.F55・・・・・・・・・・・・F55でZ-10.まで送り

X20.F150・・・・・・・・・・・・・・F150でX20.まで送り

G03X15.Y-5.I-5.・・・・・・・・・・・円弧アプローチでX15.までF150で送り (IJK表示)

G01X-15.F150・・・・・・・・・・・F150でX-15.まで送り(切削)

G03X-20.Y-10.J-5.F150・・・・・・・円弧エスケープF150でX-20.へ

G01X-15.・・・・・・・・・・・・・X-15.までF150で送り

G00Z100.・・・・・・・・・・・・・Z100.まで早送り

X0.Y0.・・・・・・・・・・・・・・X0Y0に早送り

G91G28Z0・・・・・・・・・・・・Z原点復帰

M09・・・・・・・・・・・・・・クーラントOFF

M05・・・・・・・・・・・・・・主軸停止

M30・・・・・・・・・・・・・・プログラム終了

 

補足

G03 = 円弧補完 (反時計回り) 円弧アプローチ、エスケープで使われます

G90 = アブソリュート 原点位置決めで覚えておけばOK

M08 = クーラント(切削油)ON

M09 = クーラント OFF

M30 = プログラムエンド プログラムの最後に入ります

Gコード Mコードまとめ

よく使うものとか、最低限知っておく必要のある一部をご紹介してみました。

コードとかプログラムとかいうと、難しく構えてしまいがちですが、意味が分かるとなんてことはないものばかりです。

ほんの一部分しか出来ませんでしたが、後々ネタがなくなってきたらまたやろうかなと思っています。

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